にわかにあちこちで盛り上がりを見せる広告ブロック(正しくはコンテンツブロック)騒動。喧騒のなか、見ておきたいものをまとめます。
Apple公式
盛り上がりをみせているときは、原点にあたる必要がある。
Safari Extensibility: Content Blocking and Shared Links - WWDC 2015 - Videos - Apple Developer
Appleの開発者向けカンファレンスWWDCでの発表動画。今の喧騒がウソのように観客もすくない。
ここからは、AdBlockではなくコンテンツブロック。ブロックするルールは開発者が作る。など誤解されがちな所がわかる。
さらに詳細は開発者向け文書で確認できる。
メディア記事
メディア記事は各社とも煽り過ぎではないかと心配になる。広告がなくなると困るのは、Googleより先にメディアではないのかな……
グーグルはアップルが広告ブロックの潮流をつくり出し、自社の検索連動型広告だけでなく、ダブルクリック部門を通じてメディアに提供しているバナー広告が当たり前のようにブロックされれば、打撃を受けそうだ。
ロイターの取り上げ方がわかりやすい。広告ブロックを承認という湾曲的な言い回しを使いながらApple対Googleの図式に持ちこんでいる。
WSJでは一歩進んで、コンテンツブロックを使った広告ブロックアプリCrystalの開発者の言葉を伝えている。
同氏は「パブリッシャー側の立場も理解できる。彼らはこうして稼いでいるからだ。わたしは、モバイルのインターネットはあまりにごちゃごちゃしているから、どうにかしなければならないのだと自分に言い聞かせて、これを正当化している」と話した。
葛藤をしながら、自分の信じた道を突き進んでいる。何かあった時に同氏が矢面に立たされないことを願うばかりである。
日本語で一番正確にまとまっているのは、きっとこの記事。
アドブロックでパフォーマンスは向上する
広告ブロックの効果は確かにあるようだ。
広告をブロックすることで、パフォーマンスが向上している事が見て取れる。
この記事を読もうとしてTNWにアクセスすると、ビックリするレベルのカットイン広告が出てきたのは、きっと気のせいである。
検証記事 / 考察記事
なにがブロックされているのかを調べてまとめてくれている。感謝。
検証2、検証3もありGoogleAnalytics、Googleタグマネージャーもブロックされている様子が見て取れてツライ。
いわゆるアドテク方向にどんどん舵を切るデジタル広告業界が、そうしたhumanizationにどれだけ力を割くことができるのか分からない。しかしユーザがブロックという力を得た以上、儲かるのであれば嫌われたままでも良いという態度では、早晩生きていけなくなるというのが、あまり楽観的ではない私の見方である。
個人的に激しく同意。
Twitterでの反応
Twitterの反応は、市況かぶ全力2階建にまとまっている。
AdBlock作者がストアからアプリを引き下げる
Just doesn’t feel good – Marco.org
アメリカでストアランキング1位になっていた「Peace」の作者が、アプリをストアから引き下げた。
広告ブロックは戦争になり、両面性がある。その世界から撤退するそうである。
Overcastなどの素晴らしいアプリをつくり、Podcastなどを通して非常な影響力があるMarco。個人的にはテクノロジーではない論争になってしまうこの領域から脱出してくれてうれしい :)
AdBlockをBlock
AdBlockをブロックする。
こういうのも出てきますよね。
広告
手前味噌ですが、すこし前に記事を書いていました。